Case Study 活用事例

指摘したのに直らない?!情報の交通渋滞が生む是正漏れの正体

指摘したのに直らない?!情報の交通渋滞が生む是正漏れの正体

| 現場を止めるのは施工不良ではない

建設現場では毎日のように指摘事項が発生します。

「この金具の向きが違う」
「防水の立上りが不足している」
「是正後の確認を必ずお願いします」

どれも珍しい話ではありません。

むしろ現場に指摘事項が出ること自体は自然なことです。

問題は、その後です。

指摘した。是正した。確認した。

—はずだった。

しかし数日後、
「これ、誰が確認しました?」
「是正完了でしたっけ?」
「写真どこですか?」
という会話が始まります。

実は現場で本当に怖いのは、指摘事項そのものではありません。
指摘と是正が埋もれることです。


| 品質は「指摘」と「是正」の積み重ねで育つ

品質管理で行う業務でいうと、
・検査
・チェックリスト
・設計図書との照合
・報告書
などが思い浮かびます。

しかし現場で実際に品質を作っているのは、

指摘⇒是正⇒確認⇒記録
というサイクルです。

どれだけ立派な検査をしても、
指摘した内容が是正されなければ意味がありません。

また、是正されても確認できなければ完了とは言えません。

品質管理とは、
不具合をなくすだけではなく

不具合を発見し、是正し、確認し、履歴として残すことでもあります。


| 「指摘した」はスタート地点でしかない

現場では、「指摘したから大丈夫」
と思われることがあります。

しかし実際には、
指摘することはスタート地点です。

本当に重要なのは、

・誰が指摘したのか
・誰が是正したのか
・誰が確認したのか
・いつ完了したのか

が追えることです。

ところが現実には、
LINE、メール、電話、口頭
などに情報が分散します。

すると、
是正されたはずなのに履歴が見つからない。
確認済みのはずなのに担当者が分からない。
そんな状態が発生します。


| 品質問題の前に情報問題がある

建設業界では、品質不良は施工ミスが原因だと思われがちです。
もちろんそれもあります。

しかし実際には、
施工ミスの前に情報の問題が存在することが少なくありません。

例えば、
指摘事項が共有されていない。
是正写真が見つからない。
図面の最新版が分からない。
担当者が変わった。
引継ぎができていない。

こうした状況では、
正しい施工をしようとしても難しくなります。

つまり現場は、
情報不足で困っているわけではありません。
むしろ逆です。


| 現場は“情報渋滞”で止まっている

今は媒体や手段が豊富です。
写真もある。チャットもある。クラウドもある。メールもある。共有フォルダもある。

情報量だけ見れば十分すぎるほどあります。
しかし、
必要な情報にたどり着けない。

これが問題です。

高速道路でいうと道路がないのではありません。
車が多すぎて動けない状態です。

情報が存在していても、
探せなければ存在しないのと同じです。


| 第三者の目が品質を変える

さらに指摘是正を難しくするのが、「自分で確認する」という構造です。

施工した人が確認する。
写真を撮った人が報告する。
判断した人が完了にする。

これではどうしても見落としが発生します。

そこで重要になるのが、第三者の目です。

第三者といっても、
必ずしも外部検査員や外部委託先を意味するわけではありません。

工事監理者。品質担当。設計担当。先輩。後輩。施主。

誰でも構いません。

別の視点が入ることで、
「ここ違いませんか?」
「この写真では判断できません」
「是正前後が分かりません」
という気付きが生まれます。

品質とは、
誰か一人の能力ではなく、
複数の目によって支えられているのです。


| まとめ

現場で本当に怖いのは、
指摘事項が発生することではありません。

指摘事項が埋もれることです。

品質問題の前には、情報量や情報の質の問題があります。

そしてこれらの情報問題の多くは、
情報不足ではなく情報の交通渋滞から生まれています。

だからこれからの品質管理に必要なのは、
より多くの情報ではありません。
・指摘を残す
・是正を追う
・確認を共有する
・履歴を見える化する
その仕組みです。

そしてそこに第三者の目が加わったとき、
品質管理は個人技からチーム戦へ変わっていきます。

指摘是正とは単なる手直しではありません。
品質を守るための情報管理そのものなのです。

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